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日本クイズ協会×トイダス!第2回クイズコンテスト、結果発表

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トイダスでは創設3周年を記念し、日本クイズ協会さまとの2度目のコラボ企画として、クイズ投稿コンテストを実施しました。

 

※前回はこちら

blog.toidas.net

 

今回のテーマは、「だんだん難しくなる」「自由部門」の2つ。前回よりもさらに力の入った、多くのクイズを出題いただきました!

 

今回審査員を務めていただいたのは、以下の皆様です(詳細なプロフィールは末尾。敬称略)。

日本クイズ協会代表理事齊藤喜徳さん

日本クイズ協会理事・大門弘樹さん

クイズ作家・日髙大介さん

 

厳正なる審査会の結果、以下の作品を表彰対象として選出いたしました。

 

大賞

但馬春さん

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齊藤:まず設定がいいです。「だんだん難しくなる」だから初段、二段、三段。「五段飾り」の人数を問う5問目など、ちゃんと上手いですよ。

大門:三段で「三段跳び」など、よくできていますね。設問・解説のネーム(文章)の量もちょうどいい。今回のクイズの中では、完成度は圧倒的に高いと思います。

日髙:この手のクイズは、途中で強引過ぎる持っていきかたが出てきがちなのですが、問題文が自然で良かったです。「初段」に関しては、ただの漢字の読みだったのが少しもったいなかったです。たとえば「一級の上は?」のような簡単な問題から始めることもできたかなあ、と思いました。

受賞者コメント

大賞に選んでいただき、ありがとうございます。大変光栄です。

「段段」という設定や問題文、解説文を評価していただけてうれしいです。

「だんだん難しくなる」というお題は、難易度自体を想定することが難しく、ほんとうに「だんだん難しく」なっているのか悩みました。

今後も、機会があればクイズを作ってみようと思います。

 

特別賞

かしわもちもちふさん

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日髙:4問目の選択肢、「アウディ」っていうのがちょっと好きですね。ただだからこそ、選択肢の順番をランダムではなくて固定にして、これを「オチ」にしてほしかった。「段段難しくなるクイズ段位審査」とは本当に僅差で、もう少し丁寧に作っていれば……惜しかった。

齊藤:クイズの問題で文字情報としては知っていても、実物やビジュアルを知らないというケースはクイズあるあるなのですが、「鹿の子」や「ナマコ壁」など問題にした模様のチョイスもちょうどよい感じでしたね。あと、5問目のネコ科の動物で言葉の頭をそろえた選択肢の作り方も上手です。「トラバーチン[英:travertine]」が1つ綴りの英単語だとわかっても、他のもありそうな感じがします。

受賞者コメント

特別賞の選出どうもありがとうございます。

以前自分の作ったトイのパート2ですが、審査員さんのツボをつくトイができてとてもよかったです。

回答者数が伸び悩んでいるのが少し残念ですが、評価されたことにより増えていくことを期待します。

 

特別賞

癒やし系大工さん

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日髙:自分の得意分野で勝負した、というのがいいですね。9問目の「雀口」など、僕たちにはとても作れない問題です。それでいて推理して答えることもできるなど、難易度もすごくよかった。

齊藤:1問目「鴬張り」の鶯(うぐいす)は、ひらがなにした方がいいですね。漢字表記にしたことで、単なる「漢字クイズ」になってしまったのが惜しかったです。

大門:とはいえ、そこはクイズを作り始めた人が引っかかりがちな部分。センスや方向性など、クイズとしての「本質」の部分は素晴らしかったです。

受賞者コメント

この度はすばらしい賞を頂戴しありがとうございます。「だんだん難しくなる」というテーマでどうやってクイズを作るか考えたとき、自分の得意分野で投稿されている皆様を参考に、自分も得意分野で勝負すべく、大工さんじゃないと作れない日本の建築クイズを作りました。今回も私が尊敬する有名クイズクリエイターに厳しいながらも愛のある評価を頂き、今後のクイズ作成の意欲となりました。

 

佳作(日髙推薦)

文月すいかさん

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日髙:「サンシャイン池崎」と「アキラ100%」を2択にするなど、選択肢の作り方がよかった。「好きなジャンル」はどうしても偏りがちになるんですが、解く人の方向をちゃんと向いた問題構成だったように思います。構成もしっかりしていて、ワンテーマでよくぞ10問押し切ったと思います。1問目はいきなり難しいので、3問目を最初に持ってきた方がいいかもしれません。

受賞者コメント

佳作という連絡を受け、驚きと共に、嬉しさでいっぱいです。

今回いただいたコメントを胸に、これからもっと、解く皆さんが楽しいと思ってくださるようなクイズを出題できるようになれるよう、努力していきたいです。

今回は、本当にありがとうございました。

 

佳作(大門推薦)

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大門:鉄道はちょっと掘り下げるとどうしてもとっつきにくくなりますが、ほかの作品と違いこの問題は、画像を上手く使い、解説も読みごたえがあります。マニアックなテーマも、こういう一般目線で作ると入賞しやすくなると思います。

日髙ヘッドマークなどは、みんな見たことがありますからね。4問目、内装の問題などはとてもテレビ的で(笑)、そういう意味でも引き込まれる問題だと思います。

受賞者コメント

佳作を頂けて光栄です。

前々回のコンテストで指摘されたことを意識してしながら問題を作ったことが功を奏したような気がします。

「だんだん難しくなる」クイズは、私にとっては難しい形式でしたが、出題、回答共に楽しかったです。

 

 

 以上、受賞作とコメントを紹介しました。

 大賞の但馬春さん、特別賞のかしわもちもちふさん、癒やし系大工さんは受賞作以外も評価が高く、今コンテストの「三強」に。

 このうち、但馬春さんの「団団難しくなる5時間授業」は「なぜ『科目』なのかという必然性が弱い」(日髙)という指摘もありましたが、3人とも受賞作に劣らぬ高得点。

 かしわもちもちふさんの「昭和アニメソングの3番クイズ【全7問おまけ付き】」は、日髙さんが「『あしたのジョー』の3番の歌詞「少年院」の問題はツボを突かれました!受賞の件はとりあえず置いていて(笑)。そういう、記憶に残る問題があるというのはいいですね」と一押しでした。

 大門さんが高く評価したのは、癒やし系大工さんによる「第2回 日本クイズ協会コラボ クイズ投稿コンテスト 自由部門「本当に自由に作ってみた」」の5問目。「D あんみつ」→「壇蜜」というとんちに、審査員からも感心の声が。

 

 このほか、惜しくも入選を逃したクイズも、力作ぞろいでした。

 たとえば、ガストロさんの「ルー語でクイズ出題してみた」について、日髙さんは「着眼点はすごくいい」としつつ、「ここは英語にしなきゃダメ」というところが日本語で、「ここは英語にしちゃダメ」というところが英語だったりする点が「惜しい」と指摘、「もっと本気で研究して、(ルー大柴さんに)なりきって作らないと。そうすると、チョイスすべきクイズの問題も、もっと見えてくるはず」。ガッシーさんの「春夏秋冬4択クイズ」、*P*さんの「主役はアルファベット!【だんだん難しくなる】」も、一定の評価は集めたものの、受賞にはあと一歩及ばず。

 一方で、ぼんやんさんの「白石麻衣」など、わずか1問だった問題にも、「『パスポート』と『ツアリスト』という選択肢が良かった」(日髙)「この人たちが、ほかにどんな問題を出すのか見てみたかった」(齊藤)といった反応が。

 

 応募作全体への総評として、齊藤さんは、

前回よりも、問題文など文章が『クイズ』の形になっている

と、出題作のレベルアップを評価しました。一方で、「せっかく選択肢の数が選べるのだから、無理やり4択、3択などにこだわらなくてもいい」とも。

 大門さんからは、「必要のないものに画像がついている一方、見たいものに限って画像がない、というものが目立ちました」として、画像や解説のいっそうの充実を求めるコメントが。特に解説は「20問の解説なしの問題を作っている人は、10問で解説を付けた方がいい」。

 日髙さんは、「前回もそうでしたが、きらりと光る一問があるとやっぱり印象に残ります」としつつ、

材料はすごくいいのに、もっと『盛り付け』がよければ、という問題もいっぱいあった

と振り返ります。問題文を長くし過ぎない、問題の中で文体に統一感を持たせる、問題や選択肢の並び順に気を遣うなど、あと少しの工夫があれば「5点、10点は上がる」とアドバイスします。

 

 以上、結果発表でした。このたびは皆様、ご応募ありがとうございました!

 

 なお、日本クイズ協会主催でこの夏、高校生を対象とした「第1回ニュース・博識甲子園(全国高等学校総合クイズ大会)」、全年齢対象の「第1回JQSグランプリシリーズ(全国総合クイズ大会)」の2つの大会が開催されます。合わせてチェックしてみてください。

quiz.or.jp

 

審査員プロフィール

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齊藤喜徳(さいとう・よしのり)

一般社団法人日本クイズ協会代表理事(会長)。
90年代に放送された『史上最強のクイズ王決定戦』など、
クイズ番組に数多く出演。競技、趣味としてのクイズの
公的地位向上を目指し日本クイズ協会を設立。

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大門弘樹

(株)セブンデイズウォー代表取締役。クイズ専門誌「QUIZ JAPAN」編集長。日本クイズ協会理事。2017年には企画したクイズ番組『Knock Out~競技クイズ日本一決定戦~』で衛星放送協会オリジナル番組アワードで大賞を受賞。クイズゲームクイズマジックアカデミー』では問題監修を担当。

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日髙大介(ひだか・だいすけ)

現在は『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』、過去には『高校生クイズ』や『クイズ!ヘキサゴンⅡ』など80本以上のクイズ番組を担当。クイズ王・クイズ作家としてのテレビ出演も多数。